時々、依頼者から、自分の事件がマスコミ等に報道されないかを聞かれることがあります。 個人でも法人でもマスコミに刑事事件が報道されれば、その社会的信用、名誉は下落します。 就業規則で、懲戒事由として、「刑事事件で有罪の判決を受けたとき」、 「社員は会社の名誉を傷つけ、または会社に不利益を与えるような言動および行為は一切慎まなければならない」 「暴行、脅迫その他不法行為をして著しく社員としての体面を汚したとき。」等規定している会社も多く、 マスコミに報道された結果、懲戒されることもあります。 また、居住地の近隣者にも知られ、家族がいる場合は引っ越さざるを得ないこともあります。

私の扱った事件で、新聞・雑誌に記載された案件は、私が報道に気づき、覚えている限りで、 いままで4件ほどあり、2件は、「ドキュメント検察官―揺れ動く「正義」 (中公新書)」にも書かれています(私の名前は出てきませんが。)

マスコミが、報道するのは、話題性、重大性、公共性、社会性などから考えてニュースバリュー(ニュースの価値)が高いとマスコミが考える場合です。 事件の性質、内容も重要ですが、痴漢、盗撮、児童買春などの事件であっても、警察、検察、自衛隊、教師、裁判所職員等を含めた公務員は、 かなりの確率で記事になると考えられますし、有名企業の社員、マスコミ関係者も記事になりやすい職業です。 組織内での地位も影響し、地位が高い人ほど、報道されやすくなります。

また、通常では、記事にならないような事件であっても、当日、たまたま、他の事件が少ない場合などは、掲載されてしまうことがあります。 この点では、運も大きく関係してきます。

最近は、インターネットへの掲載も考えられます。裁判を傍聴する人が増えており、その傍聴結果を、ブログ等で記載される方もいます。 ただ、この場合は、被告人を特定する情報としては、名前程度しかなく、また、多くの場合、あまり読まれないことが救いです。

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※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。

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