痴漢事件で逮捕されたが検察で釈放されるのはどのような場合なのか教えてという質問がありましたので、そのような疑問をお持ちになった方のために、下記の記事を書きました。

ただし、下記の記事は、あくまで、東京の検察庁、裁判所における扱いが前提ですので、ご注意下さい。

痴漢事件で逮捕されたが検察庁で釈放されるケース

警察で逮捕され検察に送致された場合、検察官は、10日間の勾留を裁判官に請求(勾留請求)する必要があるかどうかを判断しなければなりません。

勾留の要件は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、①被疑者が定まった住居を有しないとき、②被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき、③被害者が逃亡し、又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるときの①から③のいずれかにあたる場合です。

痴漢を否認している場合

ただし、被疑者が痴漢を行ったことを否認している場合は、仮に、上記①から③の要件がないと客観的には判断される場合であっても、検察官は勾留請求をするのが通常です。

これは、裁判所と異なり、検察官は警察と同様、捜査機関のため、否認の場合は、勾留してより捜査をすることが必要と考えることによると考えられます(ただし、法律上は、上記のとおり、捜査の必要性があっても、上記①~③がない場合は、勾留はできません)。

このような場合は、裁判所が勾留請求を却下すると思われる場合でも、検察は勾留請求を行います。

ただし、被疑者が否認を続けた場合は、検察官は裁判で、被疑者の犯行を立証しなければなりません。

この点で、逮捕し送致すれば一応の仕事が完了する警察と検察とは視点が異なることから、電車内の痴漢の場合で、客観的状況に疑問が生じる場合等で、例外的に勾留請求をせず、釈放する場合もあります。

痴漢を認めている場合

痴漢をしたことを認めている場合で、検察庁で釈放される場合としては、上記①~③がない場合ということになります。

痴漢の場合は、被害者が電車でたまたま隣接していた人で、名前も住所も知らないことが多く、被害者を脅して証言を変更させるような罪証隠滅は考えづらいのが一般ですので、逃亡のおそれがないかどうかが勾留請求をするかどうか(釈放するかどうか)で一番の問題になります。

これについては、近時、東京地方裁判所が、勾留の要件を前よりは厳格に判断するようになったことから、安定した職があり、家族と同居している等の場合は、検察官も勾留請求をせず、釈放するケースが増えています。

さらに、行為時に泥酔しており、警察で逮捕された辞典では、痴漢を認めるかどうかも供述できなかったが、酔いがさめて、検察官の前で認めた場合で、上記①~③がない場合も釈放される可能性が大きいです。

釈放後の流れ

釈放された場合も、それで終わりではありません。検察官は、被疑者を起訴にするか、不起訴にするかの処分を決めることになります。

否認で釈放された場合も、(むしろ、裁判所で勾留請求却下された場合の方が多いかと思いますが)、警察はさらに調査を進め、検察官は被疑者を呼び出し、取り調べをすることになります。

弁護士に委任せず自分で対応しても、不起訴(嫌疑不十分)になる場合もありますが、逆に、起訴となる場合もあります。弁護士に委任した方がよいかどうかを判断するためだけでも弁護士に相談していただいた方がよいと思います。

また、痴漢行為を認めて釈放された場合、この場合不起訴(起訴猶予)にするためには、被害者と示談をしなくてはなりませんが、被害者は自分の名前や住所を知られることをいやがるため、示談を行うためには、弁護士に委任しなければなりません。

川合晋太郎法律事務所(東京弁護士会所属)ではご依頼いただいた刑事事件の95%以上で示談を成功させ、多くの不起訴を獲得しています。お気軽にご相談ください。

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※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。

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